1.6 いざというときチカラになる公的制度

医療費を保証する公的制度。
健康保険が中心ですが、これが基本です。
健康保険の制度が一番役に立ちます。

医療保険やガン保険は、公的制度だけでは
心もとないときに必要となるものです。

まずは、公的制度を再確認しておきましょう。


1.6.1 基本は、3割自己負担の健康保険

70歳を過ぎれば、現在は1割負担に減ります。
平成27年4月1日からは
70歳から74歳未満は2割負担
74歳から1割負担に変わります。
もっとも現役世代と同様の収入があるなら
70歳をすぎても3割負担です。

それでも保険が利けば3割負担で済むのは大きい 。


1.6.2 高額療養費制度

これは月の医療費の支払が一定額以上を超えたら
それ以上払った分が戻ってくるというものです。
目安は払った医療費が月で8万100円以上の場合です。

計算式はこうです。
(10割医療費 − 267,000円)×1% + 80,100円
※ 10割医療費とは、3割負担の基準となるもともとの医療費です。
たとえば、100万円かかって、3割負担で30万円払った場合の100万円です。

計算例
3割負担で払った医療費:300,000円
10割医療費       :1,000,000円
自己負担額
 (1,000,000円−267,000円)×1%+80,100円=87,430円
戻ってくる金額
  300,000円−87,430円=212,570円

全身麻酔が必要な大手術になると
10割医療費で200万円ぐらいかかることがあります。
その場合だと、自己負担額は97,430円になります。
10割医療費が100万円単位で増えるごとに
これに1万円プラスした金額が自己負担額です。

これは、一般的な世帯の場合です。
低所得者や70歳以上になると 計算式も変わり、自己負担額も低くなります。
一般的な世帯であっても、 高額医療費制度の請求が3ヶ月以上続くなら
4ヶ月目からは、月額44,400円までの負担でよくなります。

またこれは、1人ではなく、世帯でです。
扶養家族含めて、医療費の月の支払が、 80,100円を超えるなら請求できます。
ただし請求しても戻ってくるのは3ヶ月後です。
当面、3割全額を払っておく必要があります。
それが大変なら 加入している健康保険協会や組合に
「高額療養費限度額適用認定証」を申請しましょう。
これが交付されると それを病院にしめすと
最初から上限の自己負担額の支払で済みます。
※ この制度は従来は入院の場合だけでしたが
2012年4月から通院でもOKになりました。

注意点
高額療養費制度の注意点は月単位ということです。
例えば3割負担で総額14万円かかったとしても
先月7万円、今月7万円の負担だったら
この制度は使えません。


1.6.3最後が確定申告による税金の還付

実際に払った金額から補助や医療保険の保険金などを 引いた額が
年間(1/1〜12/31)で 10万円を超えているなら、
翌年2月15日からの確定申告で還付請求できます。

ただし、です。10万円を超えた分が戻ってくるわけではありません。

戻ってくるは、10万円を超えた分にかかっていた税金です。
税金は、所得額で変わります。
このため、同じ医療費負担でも、人によって戻ってくる額が違います。
極端に言えば、年収が低く、所得税を免除されていれば
所得税自体納めていないので、戻ってくるものがありません。

逆の見方をすると、所得税が高い人、高額所得者であるほど
戻ってくる金額は多くなります。

一般的な目安でいうと、
さっきの10万円を越えた金額の5%程度です。
ある程度の収入で、あまり所得税控除を受けていないなら10%もありえますが
20%以上戻ってくるのは、毎年確定申告するような高額所得者です。




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